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―――
それからさらに1時間
「お、終わった…」
「お疲れ様です」
「毎月焦らせて申し訳ないです」
「いいんですよ、締切さえ守って頂ければ」
校閲を終えて、それから数回校正もして
揃えた小説を鞄に大切に仕舞った
「清水先生は毎月書くごとに文章が面白くなっています。このまま頑張ってください」
「はい、ありがとうございます」
嬉しそうに笑う先生はまだまだ青年、って感じ
まぁ人のことあんまり言えないけど
なんだろう、私と違って擦れてないところがカワイイ。
「それじゃ、ゆっくり休んでください
また連絡します」
「お気をつけて」
玄関先まで見送ってもらい、足早に地下鉄を目指す
太陽はすでに沈みかけている時間帯だ
(今日こそは定時で上がれるか~って思ったのに!)
ハッキリ言います
今まで定時で上がったことは
片手で数えられるくらいしかございません。
ま、いっかぁ…
大切な原稿が入った鞄を抱きしめて、ホクホクとした気持ちで私は会社へと戻るのだった
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