第2章

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………すごい。 ジャンルごとに別れた編集部は みんな忙しそうに立ち回っている どこかに電話を掛けたりペンを動かしたり 楽しそうに会話をしている人なんていない でも、みんな、イキイキしてる――― ―ポンッ 「わっ!」 後ろから肩を叩かれて びくっと体を震わせて後ろを振り返った 「こんにちは」 そこにはにこやかに笑った男の人が立っていた 「こ、こんにちは、えっと…」 チラリと首から下げられた社員証を盗み見る あっ、この人が! 「伊庭さん、中川さん(美紀)から書類を預かってきました」 「うん、聞いてるよ。 君が如月さんだね それよりココは初めて?」 「は、はい、そうですが…」 細めの目をさらに細くして ニコニコ笑う伊庭さん 私はその意図が分からずにとりあえず頷く 「じゃあ案内してあげる」 「…えっ!?」 ついてきて! 私が反論する前に目の前の伊庭さんは歩き出した …もちろんあの編集部に向かって
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