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入社して割とすぐに資料室に入り浸った。
このフロアの資料はあまり大事にされていないらしい、編集長に閲覧の許可を取ると二つ返事でオーケーされた
ちなみに1年経ったとき
あの資料を勝手に校閲していいかの許可も貰っている
ここにある小説の大半が短編もので、残りが連載小説の最初の数話、といったところだ
「いいお話しなのに、もったいないなぁ」
編集長から渡された原稿は
切ない遠距離恋愛を舞台とした作品だった
確かに完成度はまだまだ甘いが
きちんと校閲して作家さんと話し合えば凄くいい作品になると思う
…でも、そこまで面倒を見てあげられる時間と人手が足りない
みんな今受け持っている作家さんと雑誌で手いっぱいなのだ。
「…いつか世に出るといいね」
そう呟いて、私は手に持っていた原稿をファイリングして資料室を後にした
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