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「なんで私にそんなこと聞くんですか?」
「んー、単なる興味?」
「質問を変えます。
私のようなありふれた新人編集を
どうしてここまで連れてきて
皆さんに紹介してくださったんですか?」
「…なんでやと思う?」
「質問を質問で返すのは如何かと思いますが…」
「うーん、せやなぁ…
今のとこは人脈が広がった、って思っといてくれへん?」
「そのことには感謝いたしますが…」
「ってかソレ!気になんねんけど!」
「…ソレ?」
全く本心を言う気がない伊庭さんに
ちょーーっとだけイライラし始めた時
全く別のところを指摘された
「敬語や敬語!
そりゃ敬語使うのは当たり前やけど
なにもそんな畏まらんくてもええんやないか?」
「…ですが」
「そりゃフロアは違えど
俺たちは同じ編集者なんだし!なっ?」
「…わかりました」
お願いーっと手を取られれば
もうそう言うしかない。
本当に読めない人だ
諦めたようにそう言えば伊庭さんはニッと嬉しそうに笑った
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