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あの不思議な伊庭さんとの出会いから数日
「おっ、如月さんお疲れ様!」
「瀬能さん、お疲れ様です」
「如月さん今度呑みに行こうね~」
「はい、お誘いありがとうございます!」
…と、まぁなぜかあの日名刺交換した人たちに
強く印象付けていただいたようで…
社内を歩いていたり食堂に行ったりすると
こうして声をかけてもらったりしている
「…ね、ねぇ優香ちゃん7Fの人たちに何かしたの?」
「してませんよっ!
ただ伊庭さんの紹介で名刺交換しただけで…」
実際名刺を交換したのはほんの数名
そこから広がり紹介の紹介って形で
後から挨拶をした人も何人かはいるけど…
美紀さんと食堂でお昼をとりながら
目を丸くしている彼女に説明
「ええっ?伊庭さんがみんなに紹介したの?」
「みんなにではないです。
手空きだった人たちにちょこっと…」
「それ、すっごいことよ?」
「…へっ?」
割と本気の声で美紀さんが言うので
思わず箸で掴んでいた鳥南蛮をお皿の上に落とした
「優香ちゃん伊庭さんの役職わかってる?」
伊庭さんの、役職…?
あれ、まさか若手の小説部部長って………!?
「前に言わなかったっけ、34歳にして実力だけで部長まで上がった人がいるって……」
「………スミマセン、すっかり忘れてました…」
「まぁ私も直前に言わなかったからね」
あちゃー、と笑う美紀さん
なんだろう他人事だからかあんまりやばそうじゃない…
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