第3章

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あわあわと取り繕いつつ うーん、と暫し間。 「…アイツは頭切れる営業のエースなんやけど、ちょっと、ちょこーーっと口が悪くて…な…?」 その…な…?からなにを読み取れと。 「当たって砕けてみます。 伊庭さんのおかげで自分の中で だんだん具体的なイメージが出来てきましたし、あとは熱意で。」 「女の子が熱意で当たって砕けるなんて感動… でもそれじゃあ彼氏できひんで?」 「ちょっと!余計なお世話です!」 「あ、如月ちゃん彼氏いないんやろ」 「仕事が恋人ですっ」 人のこと指差して ケラケラ笑って、もう…! …でもちょっとだけ気が紛れたかも。 この人わざとやってるのか? 「伊庭さん、貴重なお時間ありがとうございました」 「おっ、もう行くんか?」 「はい。なるべく早く言っていろいろ話してきます」 「またなんかあったら気軽にきたらええよ」 「お世話になりました」 「当たって砕けたら骨は拾ってやるさかい」 「…まず砕けないように祈っていてください」 再度頭を下げて私はエレベーターに乗った 向かうは営業部のある8F
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