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「ダメだよここお風呂、、、」
しかもすぐ傍には窓。
下の通りを行く人に今の、聞こえてないよね?
「大丈夫、ここ5階だし。ほら、こっち向いて」
泡立ちを利用してつるつると、哲の両手が私の体を滑りながらあちこち確かめるように移動していく。
ごつごつした男の手も泡のせいか柔らかなタッチになって、切ない感覚をあとに残しながら私の体を這い回る。
その間にも私の胸の先や首筋などをふわりとついばんでいく彼の唇。
綺麗な白い陶器のバスタブにおさまっている体は、手と唇に攻め立てられても逃げ場がない。
肩から始まったその手の行く先は、胸、脇、おなかとモヤモヤさせながら下がってきて、やがて足の付け根のほうへ、、、
来る、来る、来る、ああ、来ちゃう!
どうしよう。
思わず両足をぎゅ、と閉じた。
「開いて?」
どうしたの、と眉を下げて哲が私を見た。
「ダメ、、、」
だって今、そこ、すごいことになっているんだもの。
今触られたら、悲鳴どころじゃなくて絶叫してしまいそうだ。
「触ったら達しちゃいそう?」
こくこくとうなづくしかない私に、「いいよ?」と言うけど。
「こんなとこじゃやだ、、、のぼせそうだし」
というかもうほんとに頭がぼうっとしている。
わかった、と言うと哲は身を起こしてバスタブの外に敷いたマットの上に降り、私に手を差し出して助け起こした。
お湯から出るときに見えた彼は、はっきりと欲情していた。なのになんでそんな冷静なのよ。
ちょっと悔しくなる。
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