抱き寄せてそしてキスをして

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*** 「ほら機嫌直して」 哲が部屋にあるコーヒーメーカーで煎れたコーヒーをベッドサイドに持ってきてくれた。 ふわふわなまくらにうずめた顔を持ち上げる。 なにも身に着けてない湯上りの肌に、シーツのひんやりした肌触りが心地よくて、脚をすーと滑らせてみる。 「哲の、ヘ・ン・タ・イ!」 激しく反応しすぎて立ちあがるのもやっとだった私を、哲が丁寧に拭いてくれて、ベッドまで連れてきてくれたのだ。 あああ。10年ぶりなのに。 もっとこう、ベッドでお互いの目を見詰め合って、みたいなのを想像してたのに。 「いや、なんかあのネコ足のバスタブを見たら、いたずら心が沸いちゃってね」 いたずら、ってあなたは中学生ですか。 あ、中学生はこんなことしないか。 「でもキモチよかっただろ?」 ぷん、と横を向いた。悔しいがそれは認めざるを得ない。あんなに感じてしまったのは、ほんと初めてだ。 「初めから繋がってもいいけど、まずは七穂を感じさせたかったんだ」 私の態度にさすがに反省したか、ちょっと申し訳なさそうに哲が言う。 「だって以前は七穂、よく痛がってたじゃないか。ひさしぶりのソレが、痛いのから始まるのもどうかなあと思って、、、」 ああ、そういえば確かにそうだった。
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