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「わあー、すごいパノラマ―!」
ここは49番街にある歴史のある高級レストラン。65階という高層階にあるので、景色がいいことで知られている。
しかも完全予約制で、予約は60日前までにしなければならない。服装もそれなりの格好がいる。なんつースノビズム。
でもそこまで客に要求するだけあって、パノラマ状にひろがるマンハッタンの景色を見て、ジャズのライブの演奏を聴きながらの食事はなかなかできない体験だなあと感じ入っていた。
昨日あれだけ運動したので今朝はゆっくりかと思いきや、私が身につけたピンクの下着を見るやまた哲ががんばってしまって、、、。
まだ昼前なのに、すでに二人ともお疲れ気味だ。
「食べたらまた部屋に戻ろうか」
「戻ったら寝かせてくれるの?」
「どうかなー」
どうかなーって。せっかくNYにまで来てるのに、まだホテルのロビーと公園ひとつとこのレストラン以外は、ベッドしか見てないんですけど。
ああ、でもあの公園。今度は哲と行きたいな。
「ワシントンスクエア、気に入ったんだ?」
「うん。本読んでる人や楽器弾いてる人や、みな思い思いの過ごし方してて、雰囲気よかった」
「10年前、七穂にフラれたあとわりとすぐにNYで学会があってさ、」
哲が思い出すように語り始めた。
「皆でわいわい賑やかにやってるときは気がまぎれてまだよかったけど、独りになると辛くて、」
、、、。
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