抱き寄せてそしてキスをして

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*** 結局その店では一番無難そうな、それでも私にとっては “着てる自分が想像できません” な、薄いピンクのレースをたっぷりあしらった下着を買った。 「あ、きれい、、、」 ホテルへ帰る途中、公園があるのに気がついた。 真ん中に大きな噴水があるが、冬だからか、枯れている。 2月とはいえ風が凪いでいるせいか、あまり寒く感じない。 夕方の儚い日差しの中、長い影を足元に連れて行きかう人々。 犬を散歩させている女性、携帯で話している男性、ベビーカーを押すママ。 そして、手をつないで何やら囁きあう恋人たち。 いいなあ。 またあとでここに来ようかな。今度は哲を誘って。 寒くなってきたので、ホテルに急ぎ足で戻った。 そういえばもうミーティングは終ったのかな。 何気なくロビーの奥にあるバーに目をやる。 アシンメトリックな形のローテーブルが置かれたカッコいいバーだ。 あれ? 哲がいたような? 目を凝らして見る。 あれは、哲だ。 後姿だけど、わかる。 でも、あれは、、、! 心臓がどくん、と震えた。
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