バイバイ

2/2
前へ
/16ページ
次へ
バイバイ。 そう言ったいつものあなたの顔。 タクシーに乗り込む三秒前。 止めようと手を伸ばしたのに。 あなたはいつものような顏で バイバイ。 どこからだったかな? 二人の動線が狂いだしたのは。 どこかだったかな? 二人がすれ違い始めたのは。 バイバイ 単純な言葉に私はいつものように返す予定だったのに バイバイ 別れ話のあとなのを思い出して 引き留めた。 バイバイ。 もう、疲れたんだ そんな言葉の中に私は泣きながら あなたにすがりつくのをイメージしたの。 でも、そんなのみっともないから。 バイバイ。 強がって。 別れの言葉を吐きました。 いつかはこうなると思ってたから。 苦くない、痛くない。 強がった。 おやすみ。 バイバイ。 ありがとう。 涙なんて見せない。 私は平気。 そんな嘘をあなたはいつもなら見破るくせに 今は見破らない。 バイバイ。 バイバイ。 別れの言葉を吐けばあなたは安心するのね。 一人で生きいけるっていえばもっと安心するかな? バイバイ バイバイ バイバイ
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加