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「それで、分かったんですか?」
「死斑の様子から、死後三時間は経過していました。何か仕掛けがないと、あの狭いワンルームの窓と扉が全て閉まった密室なら、春先だとしても、もっと匂いがあるはずです」
ぐつぐつと、湯気が上がる鍋からは鰹ぶしのいい香りが漂う。
それを挟んで、松波とリリコが向かいあう、広く清潔なリビング。
野菜を鍋に入れながら、松波が口を動かす。
「死斑の状態もですが、死体の匂いなんて、なんで梅林寺さん知ってるんですか」
「アメリカで、犯罪学を学んでいるときに、死体マニアの知り合いが居たので」
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