第2章

6/22
前へ
/68ページ
次へ
朝から山崎家は戦争のような時間が流れる 職人全員にご飯を作り、次々と流れるように食器を下げ、洗い、職人が仕事に行くと、寮の部屋の前にはランドリーボックスがあり、それを回収、洗濯、前の日の洗濯物を一度乾燥機でふんわり仕上げてからたたみ、各部屋にランドリーボックスと伴にたたんだ洗濯物を置く トイレ、廊下、お風呂の掃除をして大体終わるのは午後いち位 それから自分達のご飯を食べて、残りの洗濯をする これを毎日、日曜日以外はあるのだ 「お母さんが一人でこれを何年もやってたなんて信じらんない。しかも子供も三人育ててさぁ。親方も優しいし、俺もここの家の子だったらこんなに捻くれなかったのかなぁ」 昨日の恭二に対しての暴言も謝ることが出来ないでモヤモヤしていた 「あのぉ」 家の中でかけられたことのない声が聞こえた あ、、、陸くんだ 何でこの家にいるんだ?昨日の斎藤が言っていた、かくまってるって本当だったんだ 同じような境遇なのに、俺には愛してくれる人が居ない 直接この人に恨みはないけど、同じ人間なのに不公平に感じている俺は冷たく答えた 「なんですか?恭二なら部屋じゃないんですか?俺が同じ部屋なのが気に入りませんか?」 「いや、えっと、俺と恭二はそんなんじゃなくて、幼なじみなだけで、、、」 「いいんです!解ってますし、偏見もないですから!」 何だか性格も良さそうな雰囲気に余計に惨めになる
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加