第1章

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「あー親父に連れて来てくれって言われたから」 と、ヘルメットを渡され、バイクの後ろに乗った 初めてのバイクはすごく気持ち良くて、山崎くんのお腹にしがみついていれば怖くなかった 工務店の事務所に着いた もう少し乗っていたかったなぁ 「中に入って」 「失礼します」 凄く広い敷地の中に工務店の寮と、社長宅と、会社があり、面接は社長宅で行った 社長が直々に面接をする 「えー、真柴くんはなんでこの仕事をしようと思ったのかな?」 人の良さそうな、優しい笑顔を見たら全てを聞いて欲しくなった 「実は…」 親の会社の倒産や、そのために大学を諦めたこと、家もなく捨てられたことなど全て話をした 「辛かったね」 とハンカチを出された あれ?俺、泣いてる? 「まだ、ご飯も食べないだろ。食べなさい。」 「いえ、大丈夫です。お腹空いてないで『ギュルギュルギュル』すぅ……」 「あっはっは 遠慮しないで良いんだよ。恭二も一緒に食べなさい」 大盛りのカレーを持ってきて 「はい、おかわり沢山あるし」 「い、いただきます」 正直、ここ三日位は一日一食で、カップラーメンばかりだったから、ホスト風に絡まれたときも、逃げる体力がなかった お腹いっぱい食べた 「時間があるなら今日は泊まっていきなさい。ちゃんと睡眠も取れてないだろ。」 「で、でも…」 「遠慮はいいから。恭二!布団敷いてあげなさい」 そして、お風呂まで頂き、久しぶりにフカフカの布団で熟睡した
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