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「あー親父に連れて来てくれって言われたから」
と、ヘルメットを渡され、バイクの後ろに乗った
初めてのバイクはすごく気持ち良くて、山崎くんのお腹にしがみついていれば怖くなかった
工務店の事務所に着いた
もう少し乗っていたかったなぁ
「中に入って」
「失礼します」
凄く広い敷地の中に工務店の寮と、社長宅と、会社があり、面接は社長宅で行った
社長が直々に面接をする
「えー、真柴くんはなんでこの仕事をしようと思ったのかな?」
人の良さそうな、優しい笑顔を見たら全てを聞いて欲しくなった
「実は…」
親の会社の倒産や、そのために大学を諦めたこと、家もなく捨てられたことなど全て話をした
「辛かったね」
とハンカチを出された
あれ?俺、泣いてる?
「まだ、ご飯も食べないだろ。食べなさい。」
「いえ、大丈夫です。お腹空いてないで『ギュルギュルギュル』すぅ……」
「あっはっは 遠慮しないで良いんだよ。恭二も一緒に食べなさい」
大盛りのカレーを持ってきて
「はい、おかわり沢山あるし」
「い、いただきます」
正直、ここ三日位は一日一食で、カップラーメンばかりだったから、ホスト風に絡まれたときも、逃げる体力がなかった
お腹いっぱい食べた
「時間があるなら今日は泊まっていきなさい。ちゃんと睡眠も取れてないだろ。」
「で、でも…」
「遠慮はいいから。恭二!布団敷いてあげなさい」
そして、お風呂まで頂き、久しぶりにフカフカの布団で熟睡した
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