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あの日を探して

　ーもう15年も前も昔の事だけど、今でも時々思い出す日々の記憶がある。

　目を閉じて浮かぶのは、出窓に座って外を眺めるアイツの姿。

　ヨレヨレのTシャツに、ダボダボのズボン。
　野良猫みたいに居座った、茶髪の男の子。

　頼りないくせに、気が利いて。

　痩せっぽちのくせに、よく食べた。

　無口なくせに、よく笑って。

　いつもぼんやり、遠くを見てた。

　…アイツはほんとに、猫だったのかも。
　今頃どっかで、飼われてるのかも知れない。

　そうだったら、いいな…。

　でもね、あの日々を思い出す度に私の心臓はキュッと…痛むんだ。