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急いで病院に駆けつけた私。
でも...........
「咲、一人にしてごめんね。これからは桜になって咲のことを見てるから──」
儚く笑い、最期を迎えた───
「桜になったら見守る事ができても、喋る事はできないんだよ?」
桜の木を見上げ、ポツリと呟く。
あぁ、また泣いてしまう........。
───次の瞬間。
ザアアッ
いきなり強い風が吹き、私は目を閉じた。
「何、この風─────」
突然、私の唇が冷たくなる。
そっと手に取ったソレは、桜の花びらだった........。
「これは........優斗からの最後のキス?」
奇跡のように、木の枝は揺れ、花びらは風吹のように舞う。
《──笑って?》
そんな優斗の事が聞こえた気がした。
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