…境界線を越えて…

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   みんなが美術室から出て行ったのを確認して、美術準備室で画用紙をしまう彼女を見つめていた。   やっと… やっと…2人っきりになれた。   入り口に立ち、彼女が放つ色香に酔いしれる…   しかし彼女の驚く声で、その時間は一瞬で終わってしまった。     「ごめん。」   「はぁ~びっくりした~何ですか?!」   加藤に向けていた笑顔を… なぜ僕にはくれないんだろう…   お願いです。 僕にも笑って話をして下さい。   素直に言えない… もどかしい…   うまく言葉が浮かんでこない…     「いや…昨日…」   「昨日が何?」     彼女は僕に笑顔をくれない…    
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