…境界線を越えて…

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   彼女のまとっている空気が変わっていく…   目には見えないけど、肌で感じた気がした。   眼差しが優しくなったような…   「許して欲しいなら跪け。」   「はい。」   僕は何のためらいもなく、彼女の前に跪いた…   恥ずかしさと興奮が入り混じって、彼女を見る事ができない…   いきなり髪を掴まれ、上を向かされる!   一瞬にしてあの夏の日に見た彼女と僕が同化する。   こんな突然! なんの前ぶれもなく、僕の夢見た光景が実現するなんて!   恥ずかしいのに、たまらなく興奮した僕は何がなんだかわからなくなった。   勝手にいやらしい声が漏れ出し、下半身が大きく反応する…     そんな僕を見透かすように彼女がじっと見ている。   見ないで!と、もっと見て!   正反対の気持ちを行ったり来たり…     彼女の白い指先が僕に向かって伸びてくる。   吐息をもらす僕の半開きの口に差し込み、大きく開けさせた…   彼女は、僕の口の中に唾を吐き「また明日な。」と言って掴んだ髪を乱暴に放した。   倒れ込んだ僕を置き去りにする彼女に向かって「ありがとうございます」と言うのがやっとだった。   僕は! きっと僕は…   「彼女のもの」になりました。      
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