第10章 ボディーガード①

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あれから 悠月さんはもっと忙しくなって。 寮に帰らない日もしばしば。 帰って来ても ゆっくり話す時間もなく バタンキューで寝てしまう。 他のメンバーだってそうだ。 着々と活動の場を広げ 『バッカス!』の撮影クルーも彼らに密着しているから 寮に来る事は少なくなった。 一人になるとたまに思う。 僕、どうしてこんなところにいるんだろう。 ぽつんと取り残されたみたいで寂しい。 (この際、練習台でもいいんだけどな……) 自分の存在意義さえ分からなくなって なんだか落ち着かなかった。 そんなある日――。
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