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“あなたこそ、判ってるでしょ。
あの子は、愛とか夢とか──
女とか。
そういうものがないと生きられない”
君原さんの言葉が、
頭の中をくるくると回る。
それは昔からぼんやりと判っていたし、
知っていたことだった。
……けれど、どうしてだろう。
彼女のように凛とした態度で、
それをはっきりとした言葉で
放たれた瞬間──
TAKUMIはひどく繊細で
不安定な人に思えてきた。
勝手で、我がままで、気が強くて──
そんな人だと思っていたのに。
今まで自分が見てきたものが、
全部ひっくり返されたような
気分になる。
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