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「どうした」
頭の上から高揚の残る
声が落ちてきて、
ハッと顔を上げた。
タオルを首にかけたTAKUMIが、
少し疲れた顔をして立っている。
そこで、現実に引き戻された。
そうだ。
イベントは無事終わって、
あたしも訪れていたスポンサーや
ラジオ局のお偉いさんに
挨拶をして回って。
それからやっとマイクロバスに
戻ってきたところ──だった。
「さすがに疲れたか」
ふっと微笑み落とすTAKUMIの髪から、
ポタポタと水滴が落ちる。
「髪、どうしたんですか」
「ああ、見てなかったのか。
ふざけた蛍太が、
ステージ上で俺にコーラ
ぶっかけてきて」
.
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