契約しようぜ

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あたしが通っていた中学は三つの小学校が集まっていた。 同じ小学校の子たちは、学とあたしはただの幼馴染みでそれ以上でもそれ以下でもないってことを知っていた。 けれど、他の小学校から来た女の子たちは、毎日一緒に登校していたのが気に入らなかったんだ。 それにあの頃の学が、自分から話しかけたり触れたりする女の子はあたしだけだった。 名前で呼んでいる女の子も。 学にとっては『特別』というわけではなくて、物心がついた頃から一緒にいて、それが当たり前だっただけ。 けれど周りから見れば、あたしが学の『特別』に見えていたのだ。
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