契約しようぜ

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「凛、顔出せって」 けれど、再度そう言われて、ゆっくりと布団を下げる。 目と鼻が外気にさらされたところで止めると、学の真っ直ぐな瞳がこっちを見ていて、 ドクンッ── と、鼓動が大きく跳ねた。 その表情を見ていたら、身体は重ねたけれど、あの行為には愛はなかったんだということを思い出して、目頭が熱くなってきた。 じわりじわりと瞳が潤んでくる。 そして瞬きをした瞬間、瞳の中で堪えていた涙がほろりとこぼれ落ちた。
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