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けれど、学はこんなことをする人じゃない……
もしかしたら学の中にもあたしと同じ想いがあるかもしれない……
と、一抹の望みにかけてみたくなった。
また学へと視線を戻して声を振り絞って訊いてみる。
「何で……」
「ん?」
「何で、あんなこと、したの?」
学はあたしの瞳をじっと見つめたあと、小さく息を吐いてから口を開く。
「最初に言っただろ?」
最初に?
何を言ったっけ?
記憶のテープを巻き戻してみるけれど、突然起こった出来事があまりにショックだったから、何を言われたのか思い出せない。
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