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そんなあたしをよそに、学は目を細めて、口許には笑みを浮かべながら囁くように言葉を発する。
「『この瞬間を待ってた』って、言ったよな？ ……ずっと、凛のことを抱きたかった」
「……っ！」
突然の告白に、言葉が出てこなくなった。
これって、想ってくれているから『抱きたい』って思ったってこと？
学の口から出た言葉を、自分の都合のいいように考えて自惚れてしまう。
「なあ、凛」
「な、なにっ!?」
学の口から次に出るであろう言葉に、期待が入り交じってどきどきと心臓が走り始める。
けれど学が口にした言葉は、あたしの期待を見事に裏切るものだった。
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