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「高月 紫乃です。よろしくお願いします」
黒板の前で簡単に挨拶をする。第一印象は大切だからちゃんと丁寧にね。
教室を見渡せば不良と呼ばれる生徒たちがこちらを見ていた。
不良といえどもさすがは金持ちたちが通う学園。机はきちんと列をなしており、出席率もずいぶんとよさそうだ。
ここ、Fクラスは学園の中でも特に素行の悪いものが所属するいわゆる問題児クラスである。頭脳、家柄に関係なく他の生徒への妨害になるとみなされるとこのクラスへと強制的に移動になる。
「んだあ?このもやしみてーなやつ」
「ここはFクラスだぜー、ほかのクラスと間違えてんじゃねーの?」
色とりどりの頭をした不良たちが心底不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
確かに俺は色も白いし身長が177cmある割に体重は50キロ満たしていないし、ガチムチの不良君が言うようにもやし体型だ。顔も目が蒼いことを除けばいたって普通の生徒だろう。
「高月は移動じゃなく、転入してきてっからお前ら仲良くしてやれよー」
担任がそういうとまた驚いた顔をする生徒たち。そんな顔がなんだかおもしろく眺めていると突然教室の後ろにあるドアが開き生徒がひとり入ってきた。
「え?時雨さん…?」「なんで時雨さんがここに」
「誰かしばかれるんじゃねーの?」「相変わらず雰囲気やばいよなー」
なんだか騒がしく思い廊下をみればいつの間にか人だかりができていた。
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