第2話 ソラに近い 1

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「どこか、大阪で観光したいところないですか……?」 「ありません」 隣を見なくても、どんな表情か杉田には分かった。 ちらりとカーナビの時計を見ると、出発してから一時間あまり。 大阪府警本部から天王寺駅までなら、十五分程で着くのだが、観光名所が集まっている、大阪駅、なんば駅を通った為だ。 その間、ずっと流れている、車内の重い空気。 杉田は、リリコが赴任して、一週間経ち、悪化し続ける職場の空気とどちらがましか考えた。
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