79人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
柳下の怒声に、耳の奥がキンと痛んだ。
「すいません……、もう、戻りますから……」
杉田はそう言いながらポケットを探り、仕事用の携帯を、車に置いてきたのに気付く。
『早 せえや!! 鑑識の結果まだやが、今日のホトケ、一週間前の、靭(うつぼ)公園のマンションのホトケと、状態が一緒なんや!!』
ひゅうっと、杉田の背中が冷たくなった。
『忙しなるから、早く帰って来いよ!!』
「はい」と言い、通話を切ると、鼻の奥に匂いが蘇ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!