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「待ってくれよ、こんな話聞いてないよ!」 ランニングシャツの太った男が、スピーカーに向かってわめいた。 「なあ、『マネージャー』さん、話が違うぞ!簡単に短時間で金になる方法があるっていうからここに来たのに、こんなことやらされるなんてことは聞かされてないじゃないか!」 「おいデブうるせえよ」  赤いメガネの中年男性が、ランニング男を黙らせるよう低い声で言った。 「『簡単』で、『短時間』で金が入るってことは間違ってないじゃねえか。そんな話だったら、大抵こんなことやらされるぐらいの覚悟しとけや」 「そんなこといったって、こ、これ、殺し合いだよ!おれたちに鉄砲持たせて撃ち合いさせるだなんて殺人じゃないか!法律違反だ!おれ、こんな部屋出てやる!」 「…静かにしなさい」 初老の、ジャージ姿の男が言った。 「勝てばいい。そうすれば『マネージャー』のいうとおり、1人2000万円もらえるんだろう?最初から負けを認めてどうすんだい?」  それでも騒ぐランニング男に、赤メガネは強引に怒鳴りつけた。 「黙ってろ!」  水をうったように、その場に静寂がおとずれた。ジャージの男が室内に集った6人の顔を1人ずつ確認してから言った。 「とりあえず、名前を名乗らないか、みんな。…まあ、実名は無理だろうから、あだ名だな」
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