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「そこの派手なメガネ。あんたは『赤メガネ』でいいかね?」
「ああ、かまわんよ、お前は『ジャージ』って呼ばせてもらうぞ」
『赤メガネ』と「ジャージ」は意味ありげな視線で互いを見た。これから殺しあうのか、味方になるのか、現状況ではわからない。
派手な格好の若者が言った。
「呼びやすい名前をつけりゃいいのか。ええと、お前は……」
そういって、青いYシャツの痩せた男を指さした。
「『青服』でいいか?」
指名された男は、そのまんまですね、と軽く笑った。
『赤メガネ』が言った。
「お前はなんて呼ぼうか?『ハードロッカー』?『ツンツン頭』?」
「……どっちも勘弁だ。だっせえな」
「呼びやすい名前をつけるって今、提案したのはお前じゃねえか」
「もうちょっとセンスのいい名前にしてくれよ」
「『ドクロ』でどうだね?」
『ジャージ』が、若者の着ている黒いTシャツにプリントされたドクロマークを指して言った。
「ああ、そっちのがましだ。俺は『ドクロ』ね。はい、他の奴は?」
さっきからにやにやとしている黒いスーツの男を見やった。
「あんたは『金ネクタイ』か、『にやにやマン』だな」
男は答えた。
「前者を採用だ、ヒヒヒ」
『金ネクタイ』が歯をむき出して笑うと、前歯まで金色だった。『金ネクタイ』は、向かいに座っている7人で1番怯えている男を見た。
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