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「うほっ!こりゃひでえな」  『赤メガネ』は、笑わずにはいられない、といいたげに唇を歪めてその石を見た。 「今、赤い石は4つ、青い石は2つってわけだ。うまくことが進めば、あと二人死ねば、ゲーム終了、賞金2000万いただきってわけだ」 「やはり、おまえさんは赤い石決定だね」  『ジャージ』が言った。『赤メガネ』は再び指摘され、ぐっと怒りと屈辱をこらえた。 「なあ、『ユニクロ君』よ。石見せてくれないか、なあ?」  『赤メガネ』が怒りの矛先を変えるように、挑発的な態度で『ユニクロ君』へ迫った。 「そんなに『ユニクロ君』がお気に入りなら、席を替わろうか?はさまれてそんな唾を飛ばされちゃこっちもたまらん」  そう言って『ジャージ』は、ハンカチを取り出して、顔にかかった『赤メガネ』の唾を拭った。 「…話をまとめると」  『金ネクタイ』が、変わらずにやけた顔で話し出した。 「今、赤い石が4つ、青い石が2つ。そこの『赤メガネ』ちゃんは赤い石、『ユニクロ君』は青い石。ここまではあってるかなぁ?」  『赤メガネ』と『ユニクロ君』が同時に言った。 「違う」 「おや、同時に同じこと言っちゃったね。仲がいいんだか悪いんだか、君たち二人は」  『金ネクタイ』はそう言って、下品に笑った。『ドクロ』と『青服』は、この中で1番気味の悪い男に、不快な視線を送った。 「なあなあ、なんでそんなニヤニヤしてんの、おっさん」  『ドクロ』の質問に『金ネクタイ』が答えた。 「楽しいゲームに参加してるからに決まってるじゃないか。あんたらも楽しいだろ、生きるか死ぬかのこのゲーム。平然としてるほうが異常だ」
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