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天井に吊るされた照明は薄暗く、室内をぼんやりと照らしている。
東西に木製の扉。北の壁に鹿の首の彫像、南の壁にテレビと柱時計。
東の部屋から案内された7人の男は、無言で部屋を見渡した。ふるい西洋の洋館の一室のような雰囲気だった。
7人は沈黙を続け、柱時計のカチ……カチ……という正確なときを刻む音が響く。
中央に丸く白いテーブルがあり、7つの木製の椅子が用意されている。どこからか声が聞こえた。
「お客様方、ようこそいらっしゃいました」
『マネージャー』の声だった。天井のスピーカーからだ。7人の男は皆、この男に呼ばれてここへ来た。
しかし誰もが『マネージャー』に実際に会ったことはなく、その部下によってそれぞれ連れてこられたのだ。
7人の男たちは、年齢も外見もばらばらで、なんら接点もない。この部屋に来て初めて出会ったばかりだ。唯一共通することは、『マネージャー』の誘いによってここへ来た、ということのみである。
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