6人が本棚に入れています
本棚に追加
「さあ、どうぞ椅子にお座りください」
スピーカーから流れる『マネージャー』の言われた通りに、男たちは空いている席へと腰掛けた。
皆、無言だった。照明の不安定な光が、7人を幻影のように照らし出している。
スーツ姿の、赤いふちの眼鏡をかけた中年の男性。
ランニングシャツを着た、太った男。
ロックバンドを意識したかのような派手な服装、派手な髪型の青年。
青いYシャツを着た、細身の男。
不気味に口元に笑みを浮かばせた、黒いスーツに金色のネクタイをした細目の中年。
がくがくと怯えている、安物の服を着た気弱そうな若者。
1番年齢が高そうな、頭の禿げかかったジャージ姿の初老の男性。
「今から私のエージェントが1人、そちらへ行きます。どうぞリラックスしてお待ち下さい」
最初のコメントを投稿しよう!