ヴァーミリオン・ゲートはどこだ

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あまり関係のない話。 何年か前に行った講演会で世界の安藤は、 「そこら辺におる若いお母さん、まだ日本語も喋れんような赤んぼ相手にリンゴ見せて『アッポー(apple)』なんて言いよる。アホちゃうか。そんなん教えよて躍起になるくらいなら自分がきちんとした日本語喋れっちゅうねん。グローバルなんたらよりも日本人なら日本の心を教えなアカン」 なんて言っていたけれど。 日本の心云々は分からないでもないけれど、安藤先生、これはこれでアリだと思いますよ。 私の目の前にはギラッギラに光り輝く例のファサード。 振り返りながら見上げた先には、うん、あるある。 そのぽってりとしたフォルムが和蝋燭もしくは御雛様のぼんぼりを連想させる例のタワーがそびえ立っている。 私はアホなのかもしれません。 つい7時間ほど前まで、自分の学生時代の恋愛話を延々と話し続けるセクハラ上司と二人っきりで(自己陶酔しながら私へ熱い視線を向けるのはやめて欲しい)、事務所の床一面に広げた図面へ片っ端から赤を入れていたはずなんですよ。 外注先の担当者から直接電話がこないのをいいことに【要確認】なんて件名のついたメールを5日もほったらかした挙句、「別に忘れていた訳じゃありませんが、ナニか?」なんてしれっとメールを送っていたはずなんですよ。 休日返上、土曜日の22時すぎに「メシでも」なんて言い出すアホ上司を笑顔で振り切り、マラソンのゴールテープを切るかのようにぽっかり開いたドアから電車内へと駆け込んでいたはず、なのに。 なのに、何故。 どうして私は京都にいるのでしょうか(現在日曜、早朝6時半です)
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