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携帯小説サイト、エブリスタ内で開催されていた『古都&港町特集』イベント。
学生時代に過ごしていた街が同じだったということで意気投合した桐嶋ハトメさんが公開した作品『ヴァ―ミリオン・ゲート』を休日出勤中にこっそり盗み見た私は、
ページを開いた瞬間、あの表紙が目に飛び込んできた瞬間にチッと舌打ちした挙句、読み終えた後にデスクに突っ伏して「うわぁぁぁ」と絶叫していた。
「どないしたん!?」とセクハラ上司が至近距離まで寄ってきたけれどそこはあえて無視して寝たふりを決め込んだ。
デスク横に置いたゴミ箱の上に腰掛けて上目遣いで私へ視線を送るのはやめて欲しい。
「セクハラですよ」と言えないまま、ねっとりと纏わりつくような視線に耐え続ける自分はつくづく損してると思う。
人生の岐路に立たされた主人公が訪れた伏見で不思議な体験をするというこの作品のカテゴリはファンタジー。
ハトメさんは自身の人気作品がコミカライズされているような雲の上の存在だけれど気さくにコメントしてくれる楽しい人で。
そんな彼女の作品だからと軽い気持ちで読み始めた『ヴァ―ミリオン・ゲート』に私は完全にノックアウトされた。
…だって。
あの時、あの場所で、私も似たような体験をしていたのだから。
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