プロローグ はじめのクラフト

2/4
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「よしよし…これで半自動化できたぞ…」 ニマニマと笑いながら、ゲーム画面を見つめる 半自動化というのは、俺が現在プレイしているこのゲーム…マイクラフト、通称マイクラの作物の収穫までに必要な手順の簡略化のことだ マイクラフトとは、近年で最も静かに最も熱いと話題を呼んでいる、リアル嗜好のサンドボックスサバイバルゲームで、俺、異世(いせ)新紀(あらき)と同年代…10代から30代と、幅広い層で楽しまれているゲームだ。 この、マイクラフトというゲームの魅力は、ずばり無限の創造性、これに尽きるだろう。 マイクラフトの世界は、全てがブロック…1立方メートルの正方形ブロックで表現されており、それら全て…特別なブロックを除いて、プレイヤー自らがブロックを採取、設置、生成などを行うことができ、ブロックでの建築という制限はつくものの、発想力や想像力、アイデアが許す限り、二つとない建築物を作ったりすることができる。 また、マイクラフトの世界は、所謂、ファンタジーの世界をモチーフとしており、魔法やモンスターなどといった存在もあるため、より緊迫したサバイバル感を演出している。 体力ゲージやスタミナゲージ(腹ペコゲージ)、経験値といった概念もあるため、RPGのような遊び方も出来る。 スタミナゲージ(腹ペコゲージ)は0になると、一定時間毎にダメージを受け、最終的には餓死してしまうというTHEサバイバルな役割があり、餓死を防ぐためにもプレイヤーは畑や農場の開拓を進んで行なう。(完全なサバイバル感を出すために、あえて自然にスポーンする動物だけを狩り、常にギリギリの生活をするプレイスタイルもある) なお、先ほど俺が呟いた、作物の半自動化とは潤沢な食糧の確保を実現させる、クラフター(マイクラフトのプレイヤーをさす名称)の知恵の結晶だ。 「フふふ…ああ…この世界に入り込めたら…どれほど楽しいだろう…」 口癖になりつつある言葉を口にしつつ、俺は想像する、自らがこの世界に入り込み、自由気ままに生き、自由気ままに冒険する姿を… …とはいえ、この世界の夜とはすなわち死の世界…大蜘蛛、死肉霊、スケルトンアーチャー等のモンスターの蔓延る、恐ろしい世界なのだが…まぁそれは思慮外においておこう 「目が覚めたら異世界、なーんて、夢のような展開、ないかなぁ…」 そんな事を言いながら、作業も一段落済んだので、俺は布団にもぐりこんで瞼を下ろした。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!