飛ぶことを忘れた鳥

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心の中で何かが壊れた 音もなく崩れた砂の城のように 見えない波は何度も私の躰を 弄ぶように連れ去っていく   もう一度願いが叶うなら 折れてしまったこの翼を 自由に飛んでいた私を 戻してほしい   羽ばたいて強く 太陽に届くまで 叫んでもっと 私の名前を 貴方に辿り着けるように…   空に浮かぶ月を見つめ ぼんやりと願うことはひとつ この大空に飛び込みたい 私一人で貴方と二人で   星の破片を集めて あの空のように 静かに羽ばたく 儚い夢を抱きながら   遠く消えそうな記憶を 呼び起こす 貴方が待ってる 私を呼んでいる
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