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「恭子さんからの呼び出しで、事務所に来て欲しいとのことよ。
今日はここ何時まで?」
「あと30分くらいかな」
「じゃあ終わったら声をかけてちょうだい。客席にいるから」
「了解。
ちなみに内容は知ってるのか?」
「さあ?
事務所に来たら話すとしか言ってなかったし」
まぁ、あの人ならそう言うよな。
面倒なことじゃなきゃいいんだが……
「じゃね。
それとあの子が凄いこっちを見てきてるわよ」
「ん?」
指さされた方向に視線を向けると、セリがちらちら俺達を見ながらテーブルを拭いていた。
同時に俺と会話していた女の子は商品の乗ったトレイを手にし、清楚感のある長い黒髪を翻して空いている席へと移動した。
すると入れ替わるようにセリが戻って来て、
「あの人と随分親しげに話していましたけど、誰なんですか?」
開口一番そんなことを聞いてきた。
何となく棘があるのは気のせい?
「いや、ただの知り合いだけど……
いきなりどうしたの?」
「何でもありません」
「そ、そう?」
プイと顔を逸らされてしまう。
俺別に何もしてないよな?
そのまま上がり時間まできっちり仕事をこなし、店長に促されて今日のバイトは終了した。
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