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「わ、私?」
個人的な話なら、
竜也は携帯にかけてくるはずだ。
ということは、
お仕事に関することだと思うのだけれど。
「……どうかしたんですか?」
『ん。
鞠弥に手伝ってもらえたらと思って』
仕事を? 私が?
反応に困って、返事が出来ない。
竜也が参加している今日の会議は、
三上率いる新規事業部の、
記念すべき第1回公式会議だ。
マリッジリング業界では老舗でも、
それだけでは、
今後の業績は先細りになってしまう。
そのための新規事業、ということは、
理解しているのだけれど。
『難しく考えなくて、いい。
まずは話を聞いてみないか』
「そう、ですね。まずはお話を……
ええと……そちらに?」
『ん。こっち来て』
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