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二人が出逢ったのは、中学の入学式だった。 『私立陽光学園』は、 中学と高校の校舎が別々になっている。 校門を入って東側が『中学舎』で、 西側が『高等学舎』だ。 中央には、 入学式をした『陽光講堂』がある。 鞠弥は顔見知りだった瞬と同じクラスで、 彼が兄のところへ行くというから、 友達と一緒に付いていった。 中庭も高等学舎も、 行ったことがなかったから。 強烈に覚えているのは、 中庭を染め上げていた桜吹雪。 そこで――あの人に逢ったんだもの。 桜のじゅうたんは綺麗だけれど、 アスファルトの上で踏みつけられると、 途端にスベスベの床みたいになって。 いつもより数段歩きにくい。
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