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兄との旅行は久し振りで、少し懐かしくも思った。 10代の初めから暇と金さえあれば、2人で行ける所ならどこにでも行ったものだ。 勿論子供が2人で行ける距離などたかが知れているだろうが、随分な遠征をした事もある。 当時は生家のあるボルチモアに住んでいて、近場では今の自宅と職場のあるニューヨークやマンハッタン、少し遠距離ではボストンやフィラデルフィア、ドーバー、ナンタケット島にも行った。 1番遠くで、また1番最後の旅行先はアラスカだった。 確か警察官になる目前の事で、身の振り方が変わる前にやりたかった事をしたかったんだろう。 ただアラスカを選んだのがどちらで、何故アラスカだったのかは覚えていない。 飛行機の座席で何故だったかとぼんやり考えていると、ふと兄が何と無くという口振りで、起きてるかと声を掛けて来た。 申し合わせた訳でも無く偶然に意見が合う事があるのは、双子の特色の1つだと聞いた事がある。 現にこれまでに何度もそんな事があったが、今度も偶然に全く意見が合った。 .
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