僕と彼女と

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「今日は、調子どう?」 あの後、すぐにお母さんの 病室へ向かい、隣の椅子に 座っていた。 「大丈夫よ。 …学校で何かあった?」 「…ううん、何も。」 いきなりの言葉で驚いたけど、 すぐに冷静に返した。 何でわかったんだろう? そんなに浮かない表情を してたつもりはなかった。 「…そっか。 この時期だと、学園祭が 近いよね? 学園祭の日でも、見舞いに 来てくれるけど、楽しんで きてくれてもいいのよ?」 「ううん、いいよ。 お母さんの方が心配だし…」 何より、学園祭は楽しくない。 友達なんていないし、僕が 積極的に活動する事なんてないから。 「…嬉しいわねぇ…」 「………」 また、喋る話題が無かった。 お母さんも元気そうだし、 もうそろそろ帰ろうかな。 「それじゃ、お母さん。 頑張ってね」 「はいはい… またね」 僕は、病室を後にした。
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