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「…それじゃ、僕は帰るよ。」
そういって、麗華に背を向けて
歩くと、麗華は袖を掴んでいた
そして、紙にペンを走らせる。
『連絡、してね?』
不安そうな麗華の表情は
とても可愛らしくて、ニヤけて
しまうのを抑えて僕は笑った。
「うん、するよ。
それじゃあ、またね」
僕が歩き出すと、麗華が
手を振ってきたので僕も
手を振り返した。
「………」
病院を出ると、携帯に
新しく追加された家族以外の
連絡先を眺めていた。
「…麗華、か…」
見た目に合うように、
綺麗な名前だったなぁ…
「麗華も病気なのかな?」
本当は聞きたい所だけど
麗華にとっては聞かれたくない
事かもしれないし…
…聞かないようにしよう。
「…家に帰ったら、連絡しよ」
ニヤけるのを抑えて、僕は
家に帰っていった。
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