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「あ、乾君!」
「え…あ、どうしたの?」
授業が終わり、休み時間になると
橘さんが僕の席までやってきた。
「放課後、学園祭の
打ち合わせがあるから、
生徒会議室に集合だって」
「あ、うん…
あ、橘さん」
僕に背を向けて立ち去ろうとした
橘さんを呼び止めた。
「何で僕を選んだの?」
僕が疑問に思ってた事。
目立った覚えもないし、
恨みを持たれるような事は
してないはず…
「だから、乾君。
去年の文化祭もあまり
楽しんで無かったでしょ?」
「そう、かな…」
去年はクラスの出し物で担当は
掃除しかしてなかった。
休憩の時間では屋上の
貯水タンクで寝てたくらいだし…
それにしても、何で橘さんは
僕の事を知ってるのだろう?
「そうだよ!
楽しまなくちゃ損しちゃうよ?」
「あ…うん」
でも、放課後かぁ…
「…確かメールで…」
携帯を取り出し、メールの
履歴を見ると、麗華からの
メールが最後にあった。
それを開くと…
『また明日も来てね?
遅いのはダメだよ』
「う~ん…
少しくらい遅くなっても
怒らないかな?」
少し不安になったけど、
さすがに打ち合わせを
放り出すのはまずい。
仕方ないか…打ち合わせが
終わったらすぐに行こう。
「…あっ」
チャイムが鳴った事に気づいて、
すぐに席に座り、授業を受けた
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