僕と彼女と

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「誰か、学園祭の実行委員を してくれるヤツはいないか?」 次の日の学校。 近い時期にある学園祭の 実行委員を決める為に、教師が 全員に聞いていた。 ただ、もちろんそんな面倒な 役をする人はいない。 僕だって、そう思うから、 手をあげない。 この学園は学園祭に力を 入れてる方ではあるが、生徒も 力を入れてるわけじゃない。 毎回学園祭はいい盛り上がりを 見せるが、それは実行委員と、 一部の生徒のおかげだ。 「はい。 私、立候補します」 手を上げた人の方に視線を 向けると、女生徒が手をあげていた。 確か、彼女は橘柚子(タチバナ ユズ)。 クラス内での印象は大人しくて、 でも美人で男子生徒から人気が あるから、覚えている。 「お、やってくれるか… それじゃ、後は男子一人… といっても、立候補いないなら、 橘、誰か推薦してみろ」 あぁ、可哀想に… 橘さんに絡んでる男子が 当てられるんだろうなぁ… まぁ、僕には関係ないか。 「………」 青い空を眺め、雲が流れるのを じっと見つめていた。 今の時期だと、あまり雨は 降らないんだっけ? 「それなら…乾君でお願いします」 「………え?」
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