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突然聞こえてきた僕の
名前に、僕は振り返る。
そこには僕に向けられる
生徒と教師の視線。
「よし…それじゃ、男子は
乾にやってもらおう。
それじゃ、授業を始めるぞ」
「…え…あの…」
情けない程の小さい声で
教師を呼ぶが、気づいてもらえない。
「………はぁ」
だが、もう授業が始まり、
言える状況じゃない。
…嫌だなぁ、実行委員…
橘さんの席の方を見ると、
橘さんと目があって、僕に
手を振ってきた。
僕はそれに恥ずかしくなって、
視線を逸らし、黒板へと向いた。
…橘さんと話した事ないのに…
「何で、僕が…」
本当はやりたくないが、
不安な気持ちを抑えながらも
授業に取り組んだ。
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