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そして、チャイムが鳴った。
放課後の、学園の終わりの
合図であるチャイム。
教室を出て行く生徒。
僕も帰りの用意をしていると、
誰かから肩を叩かれた。
「乾君、学園祭実行委員に
推薦させてもらったんだけど…
大丈夫だった?」
後ろを振り返ると、そこには
橘さんが立っていた。
「あぁ…うん、大丈夫。
それより、何で僕に?」
橘さんとは関わりがないし、
選ばれた理由が知りたかった。
「えっと…乾君って毎回
こういう行事に不参加だったから…
少し、楽しんでもらいたくて」
「…そっか」
彼女なりの気遣いなのだろうけど、
僕としては迷惑だった。
だけど、そんな事が
言えるわけがなかった。
「迷惑…だったかな?」
「…そんな事ないよ。
それじゃあ、また」
鞄を持って、足早に
病院へと向かっていった。
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