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オークション会場は、静寂に包まれている。
並べられた椅子に座る参加者たちは、上等な身なりで、落ち着いた素振りをしながらも、その心の奥には静かな欲望が渦巻いている。
今夜、一晩だけの恋人を手にしてやろう……、そんな、淫靡な欲望が。
「皆さん……、双子の姉妹を、一度に味わってみたいと思いませんか」
オークショニアーのその言葉は、男たちの好奇心をかき立てた。
会場に、低い歓声が上がる。
「次にご紹介するのは、たいへんお買い得な商品です」
オークショニアーはゆっくりと、もったいぶるように言葉を続ける。
「こちらは、二人セットの商品となります。二人まとめての落札額を、コールして下さい」
男たちの視線が、薄暗いステージへと注がれる。
そして、静まり返った会場に、響きわたるほどの大きな声が放たれた。
「ロットナンバー2番、蓮水夏希、蓮水向日葵!」
その声とともに、いくつもの照明がステージへと向けられる。
たくさんの光を浴びたステージが、金色に輝いた。
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