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アラームが鳴って、一瞬で目が覚める。
太股が重いのは金剛がオレの膝で寝ているから。
よくこんな態勢でお互いに寝ていられると呆れるが、疲れているからなのだろう。
金剛を起こそうとするが、手が止まる。
いつもは脳天気なまでに快活な金剛が、駆逐艦の子たちのように幼くて無邪気な寝顔を見せているので、起こすのを躊躇った。
本当は心ゆくまで眠っていてほしい。
願わくば、これ以上戦わないでほしい。
「……もうぉ~、ていとくったら……えっちなんだからぁ……そこはだめ……もう~せんとうちゅうなのに」
反射的に金剛の頭をドツいていた。非道だとは思うけれど、納得してくれるはずだ。
「……いったいなぁ、てーとく。セクハラデス、虐待、SMね」
今のはパワハラだと思うんだけど。
「今のは金剛が悪い」
「what? わたし、何か悪いことしましたか?」
寝言の内容を覚えている訳ないか。
「殴って起こすとはひどい提督デス。罰として私とケッコンしなさーい」
「いいよ」
金剛の顔は見物だった。
「いいよ………」
顔を真っ赤にして固まっている金剛を何時までも見ておきたかったけれど、それは時間が許さない。
「ケッコンも何も作戦が終わってからだ。まずは勝って帰ってからにしろ」
生きて帰れとだけ言えないのが辛い。
「提督はいぢわる、ゴブリンデス」
「知らなかったのか?」
頭を撫でてあげる。
「こんなひどい提督で、私はhappyネ」
文句を言っているのか感謝しているのか分からないのだが、表情は凄く嬉しそうだった」
「それじゃ、とっとと深き者どもをブッ倒して、くそったれな戦争を終わせるぞ」
「roger!」
金剛は連戦で疲労が溜まっているにも関わらず元気よく立ち上がるとそのまま部屋から出ていこうとしたが、忘れ物をしたかのように立ち止まった。
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