第1章

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 戦争が終わり、深海棲艦の脅威が嘘だったかのように平和を取り戻した日本。  艦むすの提督という役職を解かれ、横須賀基地の事務という新米の自衛官らしい毎日を過ごしている。  退屈ではあるけれど、疲れはしないし護衛艦任務よりも不自由は無いし、何よりも誰も死なない平和な日常。  休憩時間になったことに気づくと大きく背伸びをした。固まっていた肩をほぐしていく。  休憩とはいっても、それほど時間はないので大したことはできない。  ふと、ぽっかりと開いた時間の中で思い出すことがある。  金剛は何を言いたかったのだろう。  日本語を英語に直訳する無理な言い回しで混乱するのが常であったが、最後の言葉も分からない。  いや、分からなくはない。  日本語の直訳ではなく、英語の言い回し。何処かで聞いたような文言のはずなのに、何処かに引っかかって出てこない。  せっかくだから調べてみることにした。  スマホでネットを立ち上げると、翻訳サイトに移動して言葉を入力する。  ようやく理解した。 image=490482715.jpg
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